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有明の月の光に観る愛語
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雪呼さんより、 『 夕霞たなびく山路追いかけ来 』 に良寛さんの句を寄せてもらいました。
雪呼さん、いつもあい風ありがとうございます。
> 良寛俳句055 顔回がうちものゆかし瓢哉
少欲知足が良寛さんの生きるスタンスのセンターですけれど、
少欲知足を生きる道しるべになるまでには、色々の人との出会いがあり、学び合いがあり、刻苦勉励があったのですね。
その少欲知足の学びの一つが、顔回さんだった。
孔子さんもビックリする天才。一を聞いて十を知る卓越した能力の人です。わたしも顔回には及ばないよ、と孔子さんは、もう、ぞっこん、顔回さんに惚れ込んでしまっていました。けれど・・・
良寛さんも、人生の終わりに、運命的な出会いを実現しました。
自分の全てを一子相伝したいと惚れ込んだ貞心尼さんとの出会いです。
そして、良寛さんと貞心尼さんの間に創りだされていくものは語り愛でした。
語り愛が、つながり愛に変わり、シンクロして、ふたりそのものに、ふたりの全になっていった、といっていいのかもしれません。
良寛さんは無一物を生きた人でしたから、良寛さんの部屋には、ほとんど何もなかったのでしょうね。泥棒が入っても、盗んでいく品物がなかったほどですから。
床下から筍が出てきたら、畳を剥いで、育てるんですよね。
そして、畑を耕し、家庭菜園はやっていたようですから、一汁一飯の食器と布団はあったのでしょう。
そんな粗末な部屋で、貞心尼さんをもてなすこともできません。
物でもてなすことのできない良寛さんには、けれど、貞心尼さんを喜ばせるもてなしの術がありました。それは良寛さんが修業もし、悟達し、そして学問し、達成してきたもの全てを、それを求める貞心尼さんに、全部譲渡することでした。貞心尼さんは貪るように良寛さんのインテリジェンスと創造力を吸収していくのです。
はじめて逢ったその夜から、そうでした。
良寛さんも、もう、あとどのくらい生きるかわかりませんから、自分が持っているものは全て貞心尼さんに伝授することを喜びとしたのです。
弟子も持たず、無欲に、無一物で生きてきた良寛さんですから、村人達に慕われ、惜しまれて逝くのでしょうけれど、そのうち忘れ去られていくのでしょう。
けれど、貞心尼さんと出会って、良寛さんの運命は変わったのでした。
仁が、こうして、良寛さんのことを辿り、語り合いたいと思うのも、貞心尼さんのおかげなんですね。貞心尼さんが、貪欲に求め、そして夢実現を達成したので、良寛さんの業績が今のように評価されたのです。
良寛さんは、人生の最後に、一子相伝のように、貞心尼さんに、免許皆伝したのでした。
。。。 ≪ 雪呼さん、おはようございます。
いつも愛語をありがとうございます。
そうですか、今朝はいいお天気で、すこしさわやかなんですね。筑後も、昨晩はクーラーなしで眠れました。けれど、また酷暑です。鉢の野菜さん達が茹だっています。
今夜もさわやかだといいですね。
生まれたばかりの月が見れますように。
> 顔回(がんかい)が うちものゆかし 瓢哉(ふくべかな) 良寛
山路来て三日月の下追いつきぬ 仁
ゆっくり、ゆっくりの一人淋しき涼観の足取り。
その切なさを知る定芯の足取りは速いですね。
草庵につく前に、涼観に追いついてしまいました。
涼観の無邪気な喜びの仕草が想像できます。
ふたりは、山路を辿りながら、どんな語り愛したのでしょうね・・・
草庵に戻って、募る逢う瀬を愛おしむのでした。
草庵で、貞心尼さんをもてなす物は、何もありません。
一汁一飯を生きた顔回さんの話をして、この湯飲みだって、わたしにとっては宝物だよ。どこにだってあるものだけれど、わたしの暮らしを支えてくれた物だからね。茶道のどんな名器よりも、わたしには大切なものなんだ。この茶碗だって、もう、わたしそのものなんだよ。この畳も、この風鈴も、この草花も、この竹藪も、わたしが生きてきた私の証なんだ。わたしは、この草花の中にいるんだよ。この風鈴の音にいるんだよ。この竹藪のざわめきの中にいるんだよ。それが涼観の心なんだ。それが涼観の命なんだ。それが涼観の愛なんだ。
定芯きみに何にも与えることもできないけれど、定芯きみに一つだけ与えることができるよ。
定芯が求めればだけれどね。
それは、涼観の愛だよ。
涼観の言葉だよ。
涼観の言葉は、涼観の命なんだよ。
涼観の言葉は、涼観の愛なんだよ。
定芯が求めれば、涼観の心の全てを与えるよ。
涼観の心の全ては愛語として、定芯に相伝するよ。
( 実際にはじめて貞心尼さんが良寛さんに会ったのは、島崎の木村家の借家でしたけれど、これは、五合庵で定芯と涼観を巡り合わせてみました・・・)
貞心尼さんは喜んで、良寛さんと時間も忘れて語り合い、学び取って、良寛さんの愛語を心に蓄積していくのでした。
愛語は、良寛さんの最高の贈り物でした。
愛語は、良寛さんの最高の愛の証でした。
一子相伝した貞心尼さんは、良寛さんを永遠の道しるべとして、この世界に遺産として遺してくれました。
有明の月の光に観る愛語 仁
身辺りは皆愛語の表れ ≫ 。。。
★★★ 『 夕霞たなびく山路追いかけ来 』交心俳句064-02 へどうぞ!!! ★★★
資料 ≪ おはようございます。
今日の新聞、良寛さまの句。
「顔回(がんかい)が うちものゆかし 瓢哉(ふくべかな)」
うちものは器の意味。芭蕉に「物一つ我が世はかろき瓢(ひさご)かな」の句がある。無一物中無尽蔵の生活を貫いた良寛は、孔子に最も信頼された弟子で、優れた人物だった顔回の用いた瓢箪に心を引かれたのであろう。(全国良寛会)
今朝は良いお天気です。今夜は月を見てみたい・・・(*´艸`) ≫ 。。。雪呼
凡愚なるわがセンターは雲の月 仁
ときどき晴れる好日もあり
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回想瘋癲老仁妄句zdq1901『 底紅の花心に呑まれ溶かさるゝ 』tq1202 へどうぞ!!! ★★★
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